ドローンに搭載するモーターについて、知識と選び方

ドローンに搭載するモーターについて、知識と選び方

モーターはバッテリーから供給された電気エネルギーを機械エネルギーへと変換する装置です。ドローンに使用されるモーターはブラシレスDCモーターが一般的です。単にブラシレスモーターともいいます。

ブラシレスモーターはメンテナンスがほぼ不要であり、回転速度の安定性に優れたモーターなのでドローンに使用するモーターとして適しています。

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ブラシレスモーターの仕組み

ブラシレスとは

ブラシレスモーターは電機子コイルを固定子、永久磁石を回転子として、電流を流し回転させるモーターです。ブラシレスモーターという名が示す通り、DCモーターの機械的整流機構であるブラシをなくして、電子整流機構を採用しています。

この電子的整流機構にあたるのがESCです。回転する永久磁石の磁極をホール素子(磁気センサ)により検知し、タイミングよく電流の向きを切り替えることでモーターを回転させています。

また、ブラシをなくして機械的な整流における接触をなくしたことにより、部品の消耗をなくしメンテナンスが高まったほか、振動、ノイズの減少といった恩恵を得ています。

 

永久磁石について

ブラシレスモーターに使用する永久磁石の材料としてはNdFeB磁石、すなわちネオジム磁石が主に使われています。ネオジム磁石は磁束密度が高く、そこまで高価ではないので、モーターの小型化、高出力化の一因となっています。

欠点としては錆びやすく、熱に弱いという点が挙げられます。錆びは作成時のコーティングで対処できるので、熱で磁力が弱まるというのが最大の欠点です。ドローンを飛行させる際は長時間の継続飛行は極力避けて、モーターを冷却するインターバルをとるようにしましょう。

ドローンに使われるブラシレスモーターのデザインで内部のコイルが見えるような穴あきのデザインが多いのも、内部に風を通して永久磁石を冷却するためです。

 

 

サイズ

モーターは大きさが同じであれば出力はおおよそ同じになることが知られています。これは、モーターの大きさによって、内蔵できるコイルの巻き数や磁石の大きさが決まるためです。

このため、モーターの直径と長さをの数値を用いてそのモーターの呼称とすることがあります。たとえば直径が22㎜、長さが12㎜であれば2212と表します。

 

回転数とトルク

回転数

さらにモーターは大きさが同じでも回転数が異なるものがあり、これを区別するためにKV値というものを用います。KV値はモーターが無負荷状態で1Vの電圧を印加したときに1分間に回転する回数を表した値で、単位はrpm/Vで表します。

例:KV値が1000のモーターを11.1Vで駆動させた場合1000×11.1で11100rpmとなる。実際は無負荷でも熱損失などによりこれ以下の値となる。

 

トルク

トルクとは、簡単にいえばモーターの回転するパワーのことです。同じ大きさのモーターであれば、KV値が高いモーターほどトルクは小さく、KV値が低いとトルクは大きくなります。

一般に、大型のドローンにはKV値の低いモーター(1000~2000rpm/V程度)を使用し、小型のドローンにはKV値の大きなモーター(2000~3000rpm/V程度)を使用します。

 

パーツの組み合わせ

モーターを選択する際には、その他のパーツとの組み合わせが大切です。ドローン用のモーターの場合、仕様書を読めば対応しているリポバッテリのセル数、推奨されるプロペラのサイズが分かります。また、最大電流値からその電流に耐える定格のESCを選ぶことができます。

その他にも仕様書にはモーターの最大揚力も記載されているので、ドローンの最大推力[g]は

ロータ1つあたりの最大揚力×ロータの数[g]

となります。ドローンの重量が最大推力以下であればドローンは飛行できますが、モーターを常に最大出力で稼働させ続けるわけにもいかないので、機体重量は”最大推力×0.5[g]”程度になるよう設計するとよいと言われています。

 

モーターの選び方

以上のモーターについての知識をつらつらと書いていきましたが、自作用にモーターを選択する場合に最も簡単で確実なのは、既製品や実績のあるパーツの組み合わせを真似てみることでしょう。そこから自分に合うようにカスタマイズしてステップアップしていきましょう。

用途

レース用

レース用のドローンではフレームの大きさが130㎜、180㎜、220㎜、250㎜、270㎜といくつかあるが、現在主流のものは5インチのプロペラが搭載できる200㎜程度のフレームのようです。

5インチのプロペラを搭載するならば、大きさは2205程度で2300KVほどのモーターを使用することが多いようです。より大きなトルクが欲しいのでKV値を2200に下げる、といった風に自分好みの操作性を得られるよう工夫するとよいでしょう。

空撮用

カメラ等の撮影機器を含めたドローンの機体総重量から使用するモーターを決定します。それなりに画質の良いカメラは重量もあるので、それを搭載する機体も大型のものになりがちです。DJI社のPhantomを参考にすれば空撮に適したドローンのメインフレームの大きさは330㎜で、機体重量は1.5kg程度になると想定できます。

この場合、モーターもPhantom4シリーズのものを真似てサイズは2212程度、KV値は800~1000程度にすると良いでしょう。

 

回転方向

ブラシレスモーターの商品ページ等では説明欄にCWまたはCCWという記載があります。これは回転方向を表していて、CW(時計回り)、CCW(反時計回り)という意味です。しかしブラシレスモーターには構造上回転方向に決まりはなく、ソフト上での設定でも、物理的な配線でも回転方向は変更できます。(ブラシレスモーターにつながる3本の導線のうち、2本を入れ替えるだけでよい)

CW、CCWのモーターで異なる点はプロペラ固定用の留め具を締める向きです。プロペラの回転によって留め具が緩むことがないようにこの項目が設定されています。クアッドコプターを作製する場合はCWとCCWのモーターを2つずつ購入する必要があります。

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