ドローンの第2の脳、ESCの原理と選び方

ドローンの第2の脳、ESCの原理と選び方

ESCはElectric Speed Controllerの略称で、アンプやスピコンと呼ばれることもあります。ESCはモータの回転数を制御するためのパーツで、ドローンには普通モータと同じ数だけESCが搭載されています。

このページではドローンに使用されるESCについての説明と、自作用にESCを選択する際に見るべきポイントを解説しています。

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ESCの役割

ドローンの飛行におけるモータの回転速度の制御プロセスとして、まずフライトコントローラがESCへと指令を送り、それを受けてESCがモータへ流れる電流を変化させることで回転速度を制御する、という手順を踏みます。ここで、わざわざフライトコントローラ(以下FC)とモータの間にESCを挟んで制御する理由は何でしょうか。

これはモータを駆動させるのに必要な電圧・電流と、FCやセンサ類を動作させるのに必要な電圧・電流の大きさが全く違うからです。FCに直接モータを制御させようとバッテリーを直に接続すると、FCを構成する回路は焼き切れてしまいます。

そこで一般的にドローンでは、FCやセンサに使う電源とモータを駆動させるのに使用する電源を分けて使用しています。モータはESCを介してバッテリーと直接繋がっていますが、FCには専用の半導体部品を用いてバッテリーからの電圧を5V程度まで下げてから、電力を供給します。

FCの小さな信号でモータに流す大電流を制御するための、橋渡しの役割をしているのがESCというわけです。

 

入出力構成

入力

ESCはバッテリーから電力の供給を、フライトコントローラから指令を受けてモータの回転数を調節します。よってESCの入力側には電源のプラスとマイナス端子、FCから信号を受け取るための信号線の軽3本が備え付けられています。

 

出力

ESCの出力側には、モータを回転させるための電流を流す3本のケーブルがついています。この3本のケーブルから、モータの回転子の位置に応じて向きと大きさを変えた電流を流すことで、モータを回転継続的に回転させています。すなわち、ESCが普通のDCモータにとっての整流子とブラシの役割を担っている、ということです。

 

内部構成

ESCは主にマイコンと半導体素子(トランジスタ)によって構成された部品です。マイコンは信号の処理を行う小型のコンピュータで、トランジスタはマイコンからの信号を受けてモータへ電流を流す役割をもっています。

普通、ESCは1つのマイコンと6個のトランジスタを備えています。マイコンからの信号を受けてトランジスタのオンとオフを切り替えることで、出力側(モータ)に流す電流の向きと大きさを変化させモータの回転数を制御しています。

ESCは常に数アンペアから十数アンペアという大電流を流しているので、故障が多い部品の一つでもあります。ドローンの飛行性能が落ちてきたり、動作が不安定であると感じたら、ESCの異常である可能性もあるということは覚えておきましょう。

 

接続と回転方向

ESCの出力端子である3本のケーブルはサイクリック(循環的)に電流を流しているのですべて等価であり、どんな組み合わせでケーブルとモータの端子を接続しても、それだけで故障等の問題が発生することはありません。

しかし、接続の順番によってモータの回転の向きが決定するので、各モータの正しい回転方向になるようにしましょう。試しに接続してみて回転方向が想定と反対の向きであった場合は、3本の配線のうち2本を入れ替えれば回転方向が逆転します。

 

選び方

ドローンに使用されるESCは普通、モータの最大電流に合わせて選択します。モータの仕様書には最大電流の記載があるはずなので、モータの最大電流を流すに足る定格を備えたESCを選択しなくてはなりません。

また、ESCのマイコンにはあらかじめモータを制御するためのプログラムが書き込まれており、ESCの種類によって設定方法が異なります。このため、ESCは主流のものを選択した方が問題が発生した場合にネット等で検索して解決する可能性も高いのでおすすめです。

現在のESCの主流はBLHeli_S系です。BLHeli_S系のESCはFC(フライトコントローラ)経由で設定を行うことができ簡単なのでおすすめです。

なお、ここで使用するFCにはBetaflight(またはCleanflight)というファームウェアがインストールされている必要があります。

ファームウェア:電子機器(ハードウェア)に所望の動作をさせるためのソフトウェアのこと。FC用としてはBetaflight、Cleanflight、LibrePilotなどがある。

FCのファームウェアについては別のページで詳しく解説する予定です。

ホビー用ドローンの制御に使われるソフトウェアは情報が頻繁に更新されるので、情報の鮮度に注意しましょう。

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