ドローン制御の心臓部、フライトコントローラーとセンサー各種

ドローン制御の心臓部、フライトコントローラーとセンサー各種

フライトコントローラー(以下FC)は各種センサとマイコンをひとつの基板上に搭載した、ドローンを制御するためのパーツです。FCは各種センサから外界の情報を取得して解析し、位置と姿勢の制御や自律飛行を行うための処理を行っています。

ドローンという言葉に今のところ明確な定義はありませんが、このFCの有無がドローンとラジコンの違いであると私は考えています。

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構成要素

マイコン

マイコンは小型のコンピュータを指す言葉で、CPU(プロセッサ)、メモリ(RAM、ROM)、入出力用のポートという要素で構成されています。

既製品のFCにはスイスの半導体メーカーであるSTマイクロエレクトロニクス社のSTM32シリーズが使われることが多いようです。

STM32は内蔵するCPU(データの処理を行う演算ユニットのこと)にARM社のCortex-Mシリーズを使用しています。32というのはCPUが一度に処理できるデータ幅が32bitという意味です。これはマイコンでは上等な部類に入ります。

このCPUのCortex-Mの性能によって、フライトコントローラーはF1、F3、F4といった等級に分けられています。数字が大きいほど高性能なCPUを使用していると考えてよいでしょう。

 

センサー類

センサー類は外界の情報をデータとして取得し、その情報をFCへと送る役目を持っています。ドローンは精密に制御を行うために多くのセンサーを搭載しています。

ジャイロセンサ

ドローンの軸方向の回転(角速度)を検出するセンサーです。これによってドローンの姿勢の変化を検出することができます。もし姿勢の変化が意図しないものであった場合は、FCが正しい姿勢になるように各モータの回転速度を調整します。

 

加速度センサ

ドローンに働く前後・左右・上下方向の加速度を検出するセンサです。重力加速度を感知して姿勢を制御するほか、機体の移動する速度を把握したり、風による振動なども検出できます。

回転方向の3軸と、空間的な3次元方向の動きを検知するセンサということで、ジャイロセンサと加速度センサを合わせて6軸センサと呼ぶこともあります。

 

気圧センサ

地球上で高度が上がるにつれて大気圧が低くなっていくことを利用して、気圧で高度を測定するのが気圧センサです。圧力によって電気抵抗が変化するピエゾ効果や、薄膜のたわみによる静電容量の変化から、大気圧の情報を電気信号として取得し、それを読み取ってFCが高度情報を取得します。

ドローン飛行前の電源を入れた時にまず地上の気圧データを取得し、それをもとに飛行中の気圧と比較することで正確な高度を測定します。

飛行中に気圧センサに風が当たると気圧を正しく計測できないので、気圧センサは基本的に筐体の中に搭載されます。

 

GPS

Global Positioning System(全地球測位システム)のことです。GPSはアメリカが運用する衛星を用いて位置を測定するシステムで、だれでも利用することができます。

GPSはGPS衛星からの信号が受信機に届くまでの時間を測定することで衛星と受信機間の距離を測定します。受信機側での座標(3次元)と時刻の4つの情報が未知数なので、位置の測定には最低でも4基の衛星からの信号が必要です。ただしGPSによる位置測位にも誤差が発生し得るので、GPS衛星の数が多いほど測位の精度は向上します。

受信機側の時刻が未知数と述べましたが、これはGPSに使用する時計には超高精度が求められるため私たちの持つような時計の時刻は測位の情報として役に立たないからです。

GPS衛星に搭載されている時計は原子時計といって、30万年に1秒ほどの誤差しか発生しません。

 

コンパス(地磁気センサ)

地球上の地磁気の大きさや方向を検知することで、ドローンの向きを検出するセンサーです。GPSは位置情報を取得することはできますが、機体の向きは分からないのでコンパスを使って向きを検出します。

 

入出力ポート

フライトコントローラーを受信機やESCと接続するためのポートです。最近のFCであればS.BUSに対応しているものが多いはずなので、配線が複雑になることもないと思います。

その他には、電源ポートやPCと接続してFCの設定を行うためのUSBポートが搭載されています。

 

 

使用電源

フライトコントローラーに使用する電源は基本5Vなので(マイコンの動作電圧が5Vのため)、5V電源をどこかから引っ張ってくる必要があります。

しかし、ドローンの動力源であるリポバッテリーの電圧は普通5V以上であるため、そのままではFCに電源を供給することができません。この問題を解決する部品としてBECというものがあります。

BECはバッテリーの高い電圧をFCが利用できる5Vまで降圧する機能を持った半導体部品です。普通、BECは単体の部品としてではなく、ESCやPDB(パワーボード)に内蔵されていることが多いのでそれを利用します。

PDB(パワーボード):バッテリーを4つのESCとそれぞれ接続するのは難しいので、電源を各ESCに配分するために使用する基板。ちなみにPower Distribution Boardの略です。

 

選び方

F3ボードは非常に普及したFCでしたが、最近ではF4ボードでなければ処理の追いつかないような新機能もBetaFlightには存在するようなので、これから自作を始めるのであればF4ボードを使うのが最適だといえそうです。

使用している人が多いFCであれば情報も出てきやすく、問題が発生した場合も解決しやすいのでおすすめです。海外のドローンパーツを取り扱っているサイトで、F4ボードでレビューが多く高評価なものを選ぶのがよいでしょう。

CC3DやNAZE32など古いFCはF1のCPUを使用しており、もはやファームウェアの要求についていけなくなったためにサポートされていないようなので、購入しないようにしましょう。

ファームウェアは開発が盛んで利用者が多いBetaflightを使うのがよさそうです。Betaflightならば国内にも設定方法をネットでアップしている方も多くいらっしゃるので、それほど苦労せずにドローンを飛ばすところまでたどり着けると思います。

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