トヨタ自動車 総合職の平均年収を推測してみた【1000万円以上】

トヨタ自動車 総合職の平均年収を推測してみた【1000万円以上】

自社で工場を持っているメーカーは総合職と、工場などで働く現業職のどちらも採用しています。メーカーの公表している平均年収は総合職と現業職をすべて含めたうえでの平均ですから、結局どちらの職種の労働者にとっても実態とはかけ離れた数字が出てしまいます。

平均年収に騙されるな!メーカー(製造業)の平均年収が低いワケ

そこで今回は僕が就職活動で得た知識や有価証券報告書、就活サイトなどの情報を総合してトヨタ自動車 総合職の年収を推定していきたいと思います。

Advertisement

有価証券報告書記載の平均年収

上場している企業は有価証券報告書の開示を義務付けられています。有価証券報告書には従業員数と平均年収が記載されているのでまずはこれを参考にします。

2016年3月期の有価証券報告書によるとトヨタ自動車本体の従業員数は72,721人(+臨時従業員10,371人)、平均年収は約852万円と記載されています。この時点で日本の平均年収を大きく上回っていますが、ここでの年収計算には臨時従業員11,122人が含まれており、正社員だけの平均年収ではありません。

よってトヨタ自動車へ総合職(大卒以上)で入社した場合には、ここに記載されている平均年収よりも高い給与が得られるということが分かります。

トヨタ自動車の総合職は平均年収850万円以上!

なぜ2016年という少し古い情報を使ったかというと、2016年時の総合職の従業員数がたまたまネット上で公開されていたからです。総合職と一般職の人数比は有価証券報告書にも載っていないので、調べるのが難しいんですよね…。

2019年度の平均年収も851万円程度で、2016年とほぼ同じなので計算には問題ないと思います。

職種による年収の違い

正社員と一口に言っても、その中でもさらに職種によって労働条件が異なります。一番大きいのは総合職と一般職の違いです。

普通、総合職と一般職では給与計算のテーブルが異なるので、総合職と一般職の人数比を把握することでより正確な年収の推定が可能になります。

総合職と一般職の割合

トヨタでは総合職を事務職(文系)と技術職(理系)、一般職を業務職、技能職と呼称しているようです。総合職と一般職の呼び方については会社ごとに違うので注意する必要があります。ちなみに就職四季報総合版の情報によると業務職は女性のみの採用。

トヨタは工場での作業を行う技能職を多く雇っており、例年総合職よりも一般職の採用が多いことで知られています。調べたところトヨタ自動車の正社員約72,000人のうち、総合職が3万人、一般職が4.2万人程度でした。

 

各職種の年収推定

総合職

トヨタ自動車の総合職の年収について考えます。

上の画像は2016年4月時点での社員の役職ごとの人数です。大卒・大学院卒で採用された総合職の社員は30代半ばほどで主任へと昇進し、9割の社員は少なくとも基幹職3級までは昇格できるそうです。

当然役職が上がるごとに年収も増えていき、主任では1000万円前後、基幹職1級(部長級)では2000万円前後になります。基幹職2級、3級についての年収データは見つけられませんでしたが、1000万円から2000万円の間なので3級で1400万円、2級で1700万円くらいだと仮定します。

そして役職のついていない社員の年齢はおそらく23~34歳でしょうから、30歳時点での年収を平社員の平均的な年収と考えます。30歳時点での総合職の賃金は公開されていて、2016年度で333,300円/月で残業代が64,495円/月となっていました。ここにボーナス6.7ヶ月分を加えると30歳での年収は700万円ほどであることが分かります。

以上、各役職の人数と年収から総合職の平均年収を計算するとおよそ1029万円となりました。

さすが日本一の大企業トヨタ自動車の総合職ですね。バッチリ1000万円を超えています。

一般職(業務職・技能職)

次に高卒技能職の収入ですが、技能職では35歳くらいまで一律に昇格・昇給していき、その後は一部の能力の高い人だけが昇格できるというシステムのようです。30歳で600万円前後の年収が得られるようなので、トヨタ自動車社員の平均年齢である40歳ではおそらく年収700~800万円ほどだと推測されます。

臨時従業員(期間工など)

トヨタ自動車の臨時従業員のほとんどを占めていると考えられる期間工の労働条件について調べたところ、全ての手当てを含めて手取りで30~35万円/月 ほどの収入が得られるそうです。これを参考にすると、臨時従業員の年収は額面で500万円ほどだと推定できます。

平均年収の確認

総合職:社員数30,000人, 平均年収1029万円

一般職:従業員数42,000人, 平均年収750万円

臨時従業員:従業員数10,000人, 平均年収500万円

として全体の平均年収を計算すると821万円(本ブログによる推定値)となりました。

実際の2016年度有価証券報告書では平均年収852万円と記載されていたので、少しばかり低い数字が出てしまいました。なので実際にはもう少し高いはずですが、ネットから拾える情報からの推測ではこのくらいが精度の限界のようです。

まとめ

以前メーカーの年収はそんなに低いわけじゃないんだよという内容の記事を書いたので、今回はトヨタ自動車を例に挙げて実際に計算してみました。

トヨタ自動車を例に挙げた理由は、公開されている情報が多く推測がしやすいのと、最近観たYoutubeの動画でトヨタの総合職がそんな年収低いわけないだろ! と紹介されていたのが印象に残っていたからです(笑)

これはほんの一例ですが、就活や転職の参考になれば幸いです。それでは今回は以上です。

その後トヨタの賃金カーブと生涯賃金についても調べたので興味があればぜひ

トヨタ自動車 総合職の賃金カーブと生涯賃金【4億円越え】

大学・大学院カテゴリの最新記事