院進学があたりまえ?工学部の大学院進学について

院進学があたりまえ?工学部の大学院進学について

私の専攻する分野である工学部電気電子工学科は、学部卒業後の大学院進学率が非常に高いことで知られています。今回は工学部全体の大学院進学率、電気系学科に焦点を当てた時の大学院進学率が全体の割合と比較してどの程度高いのか見ていきましょう。

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学歴と学位について

 

まず大学、大学院での教育課程を修了したものに与えられる学位について知っておきましょう。

大学へと進学した場合、その学部学科での4年間の教育課程をを学士課程といいます。学士課程を終えると大学から卒業者へ”学士”の称号が与えられます。これがいわゆる大卒の証です。英語ではBachelor(バチェラー)。

次に大学を卒業後、大学院へと進学した場合についてです。大学院でさらに2年間の修士課程(博士前期課程ともいう)を修めたものに与えられる称号が”修士”または”修士号”です。英語ではMaster(マスター)。

そして修士号を獲得後さらに3年間の博士課程(博士後期課程)を修了すれば、日本における最高学位である”博士号”を取得できる。こちらは英語でDoctor(ドクター)。

 

高校卒業後の大学進学率

昔と比べて現在では高校卒業後、多くの人が大学へと進学するようになりました。中央進学審議会の調べによると、平成22年度の18歳人口がおよそ122万人で、そのうち61.9万人が大学の学士過程へと進学しています。この数は割合にして約50.6%と、半分以上の人間が大学へと進学していることが分かります。

1960年頃は大学進学率が10%前後であったので、その頃と比較すると遥かに多くの人が大学へと進学するようになったのが分かります。

 

大学卒業後の大学院進学率

では大学院への進学率はどのくらいでしょうか?平成22年度の18歳人口122万人に対して、大学院修士過程へと進んだ人の数は7.3万人です。よって、ある世代の人間のうち大学院まで進学する人間の割合は約5.9%です。

ではこの大学院進学率の割合を工学部のみに絞って考えた場合はどうでしょうか。工学分野全体での大学院進学率は年度によって異なりますが30~40%程度となっています。学部全体と比較するとかなり高い割合であることが分かりますね。

その他に大学院進学率が高い分野をあげると、理学がおよそ45%、農学がおよそ25%です。やはり理系の方が大学院へと進学する割合が高いことが読み取れます。

 

電気系学科における大学院進学率

最後に記事のテーマである電気系学科の大学院進学率についてです。電気系における大学院への進学率は国立大学でおよそ7割~9割程度となっています。

これは大学全体、工学部全体と比較してかなり高い割合となっています。また、この割合は難関大学と呼ばれる大学ほど高く、私立に比べて国公立大学の方が高い傾向にあります。

このように進学率が高い要因として、電気電子工学を専攻する大学生・大学院生の主な就職先である大手メーカーがより高い研究能力と専門性を持った人材、すなわち修士号や博士号を持った人材を求めているからです。

学生側も大学院を卒業すれば大卒に比べて高い待遇を受けられることが分かっているので、積極的に大学院へと進学します。これが電気系学科の大学院進学率が他の学科と比べ高い理由です。

 

結論

まとめると、電気系学科における大学院進学率の高さは企業側からの需要に応えた結果ということですね。

私の大学では、ほとんどの人(9割弱ほど)が大学院への進学を決めています。学部卒での就職を決めた人達に理由を聞いてみたところ、電気電子工学という分野が肌に合わなかった人と、もともと学部で就職すると決めていたとの答えが返ってきました。

このように特に理由がなければ進学する、というのが電気系学科に在籍する人の考え方です。

というわけで、電気系の人は院進学が当たり前という考え方は本当か?という問いに対する答えは「イエス!」です。

今回の記事はこれで以上です。それではまた!

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