バスケに必要な筋肉はNBA選手から学べ! 必要な筋トレについて

バスケに必要な筋肉はNBA選手から学べ! 必要な筋トレについて

スポーツにおいて筋肉は選手のパフォーマンスを左右する非常に大きな要素です。そしてそれは当然バスケットボールというスポーツにおいても同じです。当たり負けしないパワーも高く飛ぶためのジャンプ力も、試合終盤まで走り続けるための持久力も、すべては筋肉が生み出すエネルギーがあればこそです。

しかしだからといって全身の筋肉量を可能な限り増やせばバスケに有利かというと、それはもちろん違います。あらゆるスポーツにはその競技の特性に応じた、合理的な体型というものがあるからです。

それでは今回はバスケットボールに必要な筋トレについて、NBA選手の体つきから学んでいきましょう。

NBA選手の体格について

NBA選手は意外と体重が軽い?

NBA選手の平均的な体格はおよそ身長200cm、体重100kgほどだと言われています。同じ人間か疑いたくなるような数字ですね。しかし筋肉お化けに見える彼らは意外にも、身長の割に体重がそれほど重くないということにお気付きですか?

いや100kgって重いじゃん。と思うかもしれませんが、身長が200cmもある人間としてはそこまで重いわけでもないんです。

例として日本人男性の平均的な体格は身長170cm、体重60kgくらいです。つまりNBA選手は日本人平均より1.17倍程度背が高いことになります。体積は長さの3乗に比例しますから、1.17^3 = 1.63 、そして60[kg]×1.63=97.7kg です。

面倒な計算をしましたが結局何が言いたいのかというと、平均的な日本人男性を体の比率そのままに200cmまで引き伸ばした場合の体重は97.7kgとなり、NBA選手の平均体重とあまり変わらないということです。

体重が重くない理由

筋骨隆々に見えるにもかかわらず、なぜ体重がさほど重くないのでしょうか?

理由として第一に挙げられるのはやはり体脂肪率が低いことです。浮き出た筋肉が指し示す通り、NBA選手の体脂肪は平均で8%程度だそうです。さすがアスリートですね。

2つ目の理由としては脚が長い、特に膝下が長くそれでいて細いことが挙げられます。これは黒人に多く見られる身体的特徴で、短距離の陸上選手にも同様の特徴がよく見られます。ちなみにNBA選手の7割は黒人系だそうですよ。

NBA選手のふくらはぎが細い理由については別の記事で解説しているので、興味がある方はどうぞ。

NBA選手の筋肉について考える なぜふくらはぎが細いのか?

このことから分かるのは、むやみに筋トレをして体を大きくするのではなく、バスケットボールに必要な筋肉を理解して、それらをメインに鍛えるのが合理的だということです。それではNBA選手の筋肉で特に発達している部位はどこでしょうか?

まず大殿筋(お尻)やハムストリングス(太ももの裏)の筋肉はかなり発達しており、胴体も幹のように太く鍛えられています。そしてNBA選手の体型で特に象徴的な三角筋(肩)も重要です。よってこれらの筋肉を鍛えれば、バスケットボールにおいて有利であることが分かります。

それではこれらの筋肉がバスケでどのような役割を果たしているのか説明しながら、それぞれの筋肉のトレーニングについて書いていきます。

バスケに必要な筋肉とトレーニング

ハムストリングス・大殿筋のトレーニング

大殿筋とハムストリングスは速く走ったり、高く飛ぶためのエネルギーを生み出すのに最も重要な部位です。バスケットボールに限らず、全力疾走の必要があるスポーツではこれらの筋肉を鍛えることは必須といえるでしょう。

ダッシュやジャンプのように瞬間的に大きな力を発揮する動作で使われるので、ただ筋肥大させればよいわけではなく、瞬発力も鍛える必要があります

ブルガリアンスクワット

椅子やベンチなどの台に背を向けて立ち、片足を台に乗せた状態で行うスクワットです。片足でのスクワットになるので通常のスクワットよりも強度は高めですが、それでも負荷が足りないという場合にはダンベル等を両手に持って行いましょう。ただのスクワットではなくジャンプ動作を取り入れるのもおすすめです。

パワークリーン(ウエイトリフティング)

ウエイトリフティング系の種目はNBA選手も行っているトレーニングです。床に置いたバーベルを一気に首のあたりまで引き上げる動作を繰り返します。短時間で大きな力を発揮する瞬発力と全身の筋肉の連動性を高めることができます。陸上選手も好んで取り入れている種目です。

このトレーニングの欠点は、日本ではあまりウエイトリフティングのトレーニングができる環境が整っていないので、実践可能な学校やジムが少ないことです。

ケトルベル スイング

ウエイトリフティングができる環境にない人におすすめなのがケトルベルです。ケトルベルとは上の写真のような器具で、その形がやかんに似ていることからつけられた名前です。

持ち手の部分を両手で持って、股関節を一気に伸展させることでケトルベルを前後に振るのがケトルベル スイングです。男性であれば12kg~20kgくらいのものから選ぶと良いでしょう。

重量の自由度はバーベルに劣りますが、ケトルベルでも瞬発力と全身の筋肉の連動性を強化することができます。ケトルベルは家でも使えるので、通販等で買うのもいいかもしれません。

 

体幹のトレーニング

バスケットボールにおける体幹の筋肉の役割には、相手選手との接触時にボディバランスを保つことや、下半身の力をロスすることなく上半身に伝えることなどがあります。体幹を鍛えることでプレーの安定性が格段に増すので、どのポジションでも体幹トレーニングは必須といえるでしょう。

腹筋ローラー

有名なので知っている人も多いかもしれません。腹筋ローラーはかなり負荷の高いトレーニングなので、最初のうちは膝をついて行ってください。腰を痛めないようフォームに気をつけましょう。

 

サイドベント

両足を肩幅程度に開いた状態でダンベル等の重りを片手に持ち、上半身を横向きに倒すことで腹斜筋を刺激するトレーニングです。簡単なトレーニングですが、負荷がかかった状態で肘を伸ばしきると筋を傷めることがあるので、その点にだけ注意しましょう。

三角筋を鍛えるトレーニング

ポジション争いを制するために相手を押し込む、または押し返すために必要となる筋肉です。ゴール下を支配するセンターには当然必須の筋肉ですが、ガード・フォワードでも鍛えた方がいいでしょう。

バスケットボールは体格がものをいうスポーツなので、小柄な選手は相手選手との接触を避けようとしがちです。しかしそれだとプレーの選択肢が少なくなり、相手にも行動を読まれやすくなります。プレーの選択肢を幅広く持つためにも、肩の筋肉を鍛えておくことは重要です。

それにNBA選手のような隆起した肩はカッコいいので、外見的にもおすすめです。

サイドレイズ

三角筋のトレーニングの大定番ですね。最初の頃は軽めの重量で、筋肉の使い方を意識しながら行いましょう。

パイクプレス

腰を高く浮かせて行う腕立て伏せのようなイメージで行う筋トレです。通常の腕立て伏せが大胸筋を主に使うのに対し、角度がついたことで三角筋に刺激が入りやすくなっています。器具がなくてもできるのが最大のメリットといえます。

 

腸腰筋のトレーニング

先ほど挙げたNBA選手の発達している筋肉シリーズの中にはありませんでしたが、腸腰筋は背骨を支え、股関節の動きを補助するのに使われる筋肉です。短距離を走るときにも腸腰筋は使われていて、鍛えると脚が速くなると言われています。

短距離走が得意なイメージのある黒人は、その他の人種に比べて腸腰筋の断面積が3倍ほどもあり、かなり発達していることで知られています。鍛えることで身体能力を高めることができるはずです。

バイシクルクランチ

バイシクルクランチは腹筋の亜種のようなトレーニングです。片方の脚を体に引き付けるようにして、上げた脚と反対側の肘で膝にタッチする。これを左右交互に繰り返します。腸腰筋だけでなく、腹直筋や腹斜筋も鍛えられるトレーニングです。

まとめ

以上がバスケットボールのパフォーマンスを高めるための特に鍛えるべき筋肉についてでした。筋トレによって個人の身体能力を底上げすることができれば、チームとして取れる戦術の幅も広がります。積極的に取り入れていってほしいですね。

特にハムストリングと大殿筋はバスケットボールにおける最重要の筋肉なので、ダッシュ力・ジャンプ力を強化したいという人は重点的に鍛えていくと良いでしょう。プロテインを飲むなどしてタンパク質を十分に摂取していれば、最速で効果が実感できるはずです。

また、今回取り上げたトレーニングの他にも効果的なトレーニングは数多くあります。負荷が足りないと感じた人は筋肉の名前で検索すればより強度の高いトレーニングが見つかるかもしれません。

今回は以上です。それでは。

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