NBA選手の筋肉について考える なぜふくらはぎが細いのか?

NBA選手の筋肉について考える なぜふくらはぎが細いのか?
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スポーツにはそれぞれ競技やプレースタイルに適した体型というものが存在し、競技のレベルが高くなるほど選手には共通の特徴がみられるようになります。

世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAを見てみましょう。NBAの選手は平均的な体格は身長がおよそ2m、体重100kg、体脂肪率は7%程度です。これは明らかにバスケットボールというスポーツに適した体型が、高身長で体脂肪率の低い筋肉質な体型であることを示しています。

バスケットボールを一度でも見たことがあれば、背の高い選手の方が有利なのは分かると思いますが、今回は特にNBA選手の筋肉の付き方に注目してみたいと思います。

 

上の画像はアスリート別の体型を比較する画像です。真ん中のバスケットボール選手は90年代、00年代に活躍したNBAのスター選手です。

画像を見て分かる通り、バスケットボール選手はふくらはぎが他の部位に比べ細いことが分かると思います。他のスポーツの選手と比較してもこれは顕著です。一体なぜでしょうか?

今回はNBA選手のふくらはぎが細い理由について考察してみます。

 

NBA選手の体型について

まずはバスケットボールをプレーするときに必要となる能力から、各部位の筋肉がどのように作用するか、どんな意味があるのかを考えていきます。

バスケットボール選手の上半身の筋肉を見てみると、体幹は文字通り幹のように太く、さらに肩(三角筋)の筋肉が発達していることが分かります。これはバスケットボールは相手選手との接触が多いため、当たり負けしないためです。さらに体幹の筋肉がしっかりしていることで下半身の力を効率的に上半身へと伝えることができ、高速な重心移動を可能にしています。

そしてプレーの特性上、ジャンプとダッシュを繰り返す機会が多いため、高く跳んだり、速く走るためのエネルギーを生み出す原動力であるお尻の筋肉(大殿筋)やハムストリングス(大腿二頭筋)も当然発達しています。

次に体脂肪率の低さについて見てみます。ジャンプやダッシュを繰り返す必要のあるスポーツでは体重が重すぎると、自分の重さで関節や筋肉へのダメージが発生するためケガの原因になります。

加えて28m×15mというバスケットコートの狭さと5対5という人数から、コート上で休憩する時間はなく常に動き続ける必要があります。この条件で1クォーター12分の計48分間をプレーし続けるために持久力も不可欠な能力であるため、同じ体重であれば脂肪が少ない方が有利となり体脂肪率は低く保たれています。

以上のことから分かるように、アスリートの体型、筋肉の付き方にはプレーの特性を反映した合理的な理由があります。ならばNBA選手のふくらはぎが細いことにも理由があるはずです。

前置きが長くなりましたが、なぜバスケットボール選手のふくらはぎが細いのかを解き明かしていきましょう。



なぜふくらはぎが細いのか?

先ほどはNBA選手の体つきとプレーの特徴の関係を見てきました。それでは次は他のスポーツのアスリートで、ふくらはぎの太さを見てみましょう。

 

写真から、短距離走の選手やマラソン選手、走り高跳びの選手などはふくらはぎが細いことが見て取れます。このことから、ダッシュやジャンプという動作においてふくらはぎは細い方が有利だと言えそうです。

ではなぜ速く走ったり高く飛ぶのにふくらはぎが細いことが有利にはたらくのでしょうか。これは単純な話なのですが、ふくらはぎというのはいわば体の末端であり、末端部を重くしてしまうと動かすのに大きなパワーが必要になってしまいます。このあたりが速さや高さを競うようなスポーツで、ふくらはぎが細い方が有利にはたらく理由といえそうです。

 

ふくらはぎを細くする身体的な要素

ふくらはぎが細いことがダッシュやジャンプなど瞬発力を必要とする動作において有利にはたらく理由をここまで説明してきました。しかしふくらはぎというのは同じトレーニングをしていても、発達の仕方に大きな個人差がある部位です。この項ではふくらはぎの発達に個人差が出る理由を見ていきます。

アキレス腱の長さ

アキレス腱とは踵の骨と腓腹筋+ヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)を繋げている腱の名称です。腱の長さというのは生まれつき決まっていて、後天的に長くしたり短くしたりすることはできません。

そして腱は筋肉と違いトレーニングをしても太くなることがないため、ふくらはぎのトレーニングをしたとしても太くなるのは筋肉の部分だけというわけです。よってアキレス腱が長い人は激しいトレーニングを積んでいても膝下は全体的に細いままです。

逆にアキレス腱が短いと特別鍛えていなくても日常の動作や歩き方の癖程度でも腓腹筋やヒラメ筋といった、ふくらはぎの筋肉が発達して太くなりやすく、かつ太く見えやすいという特徴があります。

アキレス腱の長さには人種間で差があり、黒人は他人種に比べてアキレス腱が長い傾向にあるようです。NBA選手も黒人の割合が高いリーグで、全選手のうち7割以上が黒人だとされています。

単純に脚が長い

NBA選手は身長が非常に高いこと最初に述べましたが、これに加えて手足が身長比でみても長いという特徴があります。腕や脚が長い方がプレーにおいて有利であるため、このような特徴を持った選手が多くなっています。

同じ太さであれば、脚が長い方がさらにふくらはぎが細く見えるので、NBA選手のふくらはぎは他のスポーツの選手と比べても細く見えます。これは当たり前のことですね。

まとめ

以上がNBA選手のふくらはぎが細い理由の考察でした。それぞれのスポーツにおいて一流選手というのは、そのスポーツの特性に合った合理的な体型をしています。スポーツをしている人は目標とする選手の筋肉の付き方を観察することで、自身のトレーニングの指針とすることができるはずです。

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がむしゃらにトレーニングをするのではなく、なぜそのトレーニングが必要なのか、そのトレーニングではどんな能力を強化できるのかを考えることで一層高い効果が得られるはずです。ぜひ意識してみてください。

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