効率よく筋肉を付けるためになぜ太る必要があるのか|増量期と減量期

効率よく筋肉を付けるためになぜ太る必要があるのか|増量期と減量期

ボディビルダーのような筋肉のプロは最高効率で筋肉を付けるために、体重を増やす増量期減量を行う減量期を設けるというテクニックを用いることがあります。

今回の記事では増量期と減量期を設けることで、なぜ効率よく筋肉を付けることができるのかについて解説していきます。

増量期とは

筋肉を効率よく付けるためには大きく分けて3つの条件があります。

  1. 摂取カロリー>消費カロリーであること
  2. タンパク質の摂取量が十分であること
  3. 筋肉に十分な刺激を与えること(筋トレ)

基本的にはこの3つを同時に満たしていれば効率よく筋肉を付けることができます。

それではずっと増量期を続けていればいいのかというと、そう簡単にはいきません。ここで問題となるのが1つ目の条件である「摂取カロリー>消費カロリーであること」 です。

筋肉というのは人間の体にとっては余計なエネルギーを食うので、省エネが基本思想の人体にとっては極力つけたくない存在なわけです。そのため摂取カロリーが十分にある状態でなければ、筋肉はなかなか大きくなりません。

しかし摂取カロリー>消費カロリーにするということは、当然余った栄養が脂肪として蓄積されていくことを意味します。つまり増量期を続けていると筋肉は効率よく付くが、同時に脂肪もついてしまうというわけです。

相撲取りならば筋肉も脂肪も同時につけばいいのでずっと増量期でも構わないでしょうが、ボディビルダーやその他スポーツ選手にとっては際限なく脂肪がつくのは困りものです。なので今度はついた脂肪を落とす時期を設ける必要があります。

減量期とは

基本的に脂肪を落としながら筋肉を増やすことはできないと言われています。なぜなら筋肉をつけるには摂取カロリー>消費カロリーにする必要がある一方で、脂肪を落とすには摂取カロリー<消費カロリーにする必要があるため、これらが同時には成り立たないからです。

よって減量期の目的は、増量期で付けた筋肉を可能な限り減らさずに脂肪を落とすことです。減量期に必要な条件も3つあります。

  1. 摂取カロリー<消費カロリーであること
  2. タンパク質の摂取量が十分であること
  3. 可能な限りトレーニングの強度を落とさないこと

1つ目の条件である摂取カロリーと消費カロリーの不等号が逆転した以外は増量期とほとんど同じですね。

摂取カロリー<消費カロリーの状態が続くと、体は栄養が足りない環境だと判断してまず余計なエネルギーを食う筋肉を減らそうとします。それではせっかく付けた筋肉が失われてしまうので、それを防ぐために必要なのが2と3の条件です。

筋肉を分解してエネルギーを得るよりも、脂肪を分解してエネルギーを得る方が合理的となる状況を意図的につくることで、脂肪だけを効率的に落としていきます。

このように増量期と減量期を交互に繰り返すことで、筋肉を効率的に付けることができます。

どんな人に向いているか

このトレーニング方式が向いているのは、オフシーズンのスポーツ選手やボディビルやフィジークなどの大会への出場を目指している人です。最高効率で筋肉を増やせるため、次のシーズンやコンテストなどに向けて数カ月単位で取り組むことができる場合には良い方法といえるでしょう。

逆に夏に向けて肉体改造したい人が、夏が目前に迫った時期(1か月前とか)にこの方法でトレーニングを始めてしまうと減量が間に合わず、単に太ったねと周りに思われてしまうことでしょう。またトレーニングの過程で体重が大きく増減するため、シーズン中のスポーツ選手などがこの方法でトレーニングするのは難しいでしょう。

注意点について

増量期と減量期を設けたトレーニング法は効率よく短期間で筋肉量を増やすことができますが、緻密な食事管理と高負荷のトレーニングを必要とします。そのため筋トレを始めたばかりの人が急に増量期と減量期を設定するのは少々無謀かなと個人的には思います。

増量期で失敗して思ったよりも筋肉が付かなかったり、減量期がうまくいかず脂肪をしっかり落とせないなどのリスクが考えられます。

筋トレを始めたばかりの頃は筋肉が付きやすいので効率などにあまり神経質にならなくても、基本を押さえた食事とトレーニングだけで筋肉は付きます。焦らず鍛えていきましょう。

まとめ

筋トレにおける増量期と減量期についての解説でした。増量期と減量期の基本的な考え方について知っておくことは、その他のトレーニングやダイエットの際にも必ず役立つので是非抑えておいて欲しいところです。

また、このトレーニング法は確かに効率はいいものの、初心者向けではないということに気をつけて欲しいと思います。急激な体重の増減により体の感覚が狂ってしまい、筋肉を増やしたにもかかわらずスポーツにおけるパフォーマンスが下がってしまうこともあります。そのあたりも注意しておきましょう。

今回は以上です。それでは。

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