糖尿病の予防・改善に筋トレが効果的である理由を解説!

糖尿病の予防・改善に筋トレが効果的である理由を解説!

生活習慣病と呼ばれる病気は、健康な間は全く意識することがないのが普通です。まして大学生くらいの年齢であれば、暴飲暴食の生活を続け、頻繁に徹夜をしてレポートを仕上げるような日々を送っていても体調を崩すことがないため、縁遠い話だと感じる人の方が多いでしょう。

大学院生である僕は今23歳で、生活習慣病など気にするような年齢ではないと考えられますが、一応常に意識している病気があります。その病気が”糖尿病”です。

というのも高校生の頃に何らかの理由で血液検査をする機会があったのですが、そのときに医者に血糖値が高めなので気をつけるように言われてしまったという過去があるからです。厳しく食事制限なんかをしているというわけではありませんが、大学生になって一人暮らしをするようになってから血糖値が急激に上がるような食事をしないように気をつけてはいます。

そういう背景もあって糖尿病についての関心は同世代の中ではかなりある方だと思います。糖尿病の予防には食生活の改善ももちろん大切なのですが、運動も重要な要素になってきます。

前置きが長くなりましたが今回の記事では運動、特に筋トレが糖尿病の予防・改善に役立つとされる理由について説明していきたいと思います。

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糖尿病とは?

人間の血液中には常にブドウ糖が含まれており、脳や筋肉のエネルギー源として使われています。血液中の糖の濃度である血糖値は食事をすると上昇し、運動などをすると消費されて減少します。血糖値は高すぎると体内の毛細血管を傷つけるなどの問題が発生させ、低すぎると意識がもうろうとするなどの症状が発生します。つまり血糖値は高すぎても低すぎても良くないということです。

このため私たちの体は、体内の血糖値ができるだけ一定になるように調整をしています。血糖値のコントロールは体内で分泌されるホルモンが担っています。血糖値を上げるホルモンが複数あるのに対し、血糖値を下げるホルモンはインスリンと呼ばれるホルモン1種類だけです。そのためこのインスリンに問題が発生すると体は血糖値を下げることができなくなってしまいます。

インスリンそのものの分泌が少なくなる、または何らかの理由で体がインスリンに対して反応しなくなることで、血糖値をうまく下げられなくなった状態を糖尿病といいます。

生活習慣病としての糖尿病は後者の方で2型糖尿病と呼ばれています。食生活の乱れや運動不足、肥満などが原因でインスリンが効かなくなり、血糖値が下がらなくなるのが原因だとされています。この状態をインスリン感受性が低下していると言います。

つまり糖尿病を予防・改善するためにはインスリン感受性を高めることが重要になるのです。

筋肉が糖尿病を予防・改善する!

それでは筋肉および筋トレがどのようにして糖尿病を改善させるのかについて説明していきます。

 

筋肉は糖の貯蔵庫

まず最も重要な点は、筋肉が糖の貯蔵庫としての役割を果たしているということです。食事により体内に吸収された糖の一部は肝臓と筋肉中でグリコーゲンとして貯蔵され、残りは血糖として血液中を流れ脳が活動するエネルギーなどに利用されます。

筋肉量が少ないということは、体内で糖を貯蔵しておくタンクの容量が少ないということなのです。食事から摂取する糖の量に比べて、筋肉中に貯蔵できる糖が少ない場合にはより多くの糖が血液中を流れることになります。慢性的に血糖値が高い状態が続くと、インスリンが次第に効きにくくなり糖尿病になってしまうと言われています

つまり筋肉量が多ければ、それだけ多くのグリコーゲンを筋肉中に貯蔵できるので血糖値の上昇を抑えることに繋がるのです。

筋トレでグリコーゲンを消費せよ!

先ほど筋肉は糖から作られるグリコーゲンを貯蔵するタンクのようなものだと説明しました。このため筋肉量が多ければ多いほど、貯蔵できるグリコーゲンの量が増えて血糖値の上昇を抑えることができるのは明らかです。

しかし筋肉中に貯蔵したグリコーゲンを全く使わなければ新たに糖を吸収することはできないので、定期的にグリコーゲンを消費してやる必要があります。筋肉中に貯蔵されたグリコーゲンは筋肉を活動させるエネルギーとしてしか使用されないので、運動をする必要があるのです。

そしてグリコーゲンを消費する手段として適しているのが”筋トレ”なのです。

筋トレはいわゆる無酸素運動と呼ばれる種類の運動です。無酸素運動のように短時間に大きな力を発揮するような場面では、筋肉はエネルギー源として筋肉中に貯蔵しているグリコーゲンを消費します。これにより新たにグリコーゲンを吸収する余裕が生まれるので、再び血糖値の上昇を抑える役割を果たすことができるようになります。

さらに筋トレをすることで筋肉量が増えれば、貯蔵できるグリコーゲンの絶対量も増えるので一石二鳥の効果があるというのも嬉しいところですね。

筋トレで食後の血糖値スパイクを抑える

血糖値というものは食後1時間ほどでピークの値を取りますが、健康な人の場合はそこまで大きく血糖値が上昇することはなく2時間もすると食前と同程度まで血糖値が下がります。

しかし、糖尿病患者やその予備軍の人は食後に血糖値が急激に上昇する血糖値スパイクと呼ばれる状態になります。血糖値スパイクは健康診断などでは見つけにくいため見逃されがちですが、糖尿病と同様に血管を傷つける要因となるため注意が必要です。自覚できる症状としては強い眠気や倦怠感、頭痛などです。

この血糖値スパイクを抑制するためには、食後15分ほどしてから運動を行うのが効果的だと言われています。運動によって筋肉のインスリン感受性を高め、血行を良くして筋肉にグリコーゲンを蓄えさせることで糖を消費させ、血糖値の急上昇を防ぎます。

僕も米や麺類などの炭水化物をドカ食い(米2合とか)した後は、眠気や倦怠感、頭痛などに襲われるので血糖値スパイクが発生しているのを感じることがあります。なので家で食事をした後は、スクワットや懸垂など強度が高めのトレーニングを短時間行うようにしています。トレーニングをするとこれらの症状がかなり緩和されるので、実体験としてお勧めできます。食後の倦怠感がひどい人は食後トレーニングを試してみてください。

 

まとめ

今回は糖尿病についてのお話でした。人種的な差異として、アジア人は欧米人と比べて糖尿病に対する耐性が低いと言われています。これに加えて食の欧米化による高カロリーな食事と、お米大好きな国民性、成人後の運動習慣の少なさがなどが原因で、日本では実に2000万人以上の人が糖尿病またはその予備軍だそうです。めちゃくちゃ多いですね。

皆さんも他人事だと思わずに気をつけてくださいね。今回は以上です。それでは。

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