プロテインを買う前に気をつけてほしいこと 乳糖不耐症について

学生時代にスポーツや運動をしていた人や、現在進行形でしているという人はプロテインを飲んだ経験があると思います。そして飲んだことのある人の中には、プロテインを飲んだ後にお腹を下したという経験がある人もいるのではないでしょうか？

実はプロテインを飲んでお腹を下す体質の人は少なくありません。実際僕がそうなのですが、これは乳糖不耐症と呼ばれる体質で、プロテインの中に含まれている乳糖と呼ばれる成分によって下痢が引き起こされています。

今回は乳糖不耐症のメカニズムと、プロテインの選び方について見ていきましょう。

乳糖とは何か

まず乳糖という成分は名前の通り乳製品に多く含まれている炭水化物（糖質）の一種です。プロテインの中でもホエイプロテインとカゼインプロテインは牛乳を原材料として作られているので、乳糖を比較的多く含んでいます。

そしてホエイプロテインは吸収に優れているため多くのアスリートやトレーニーが愛飲しています。需要が最も高いホエイプロテインは大量生産されているため価格も抑えられて、他の種類のプロテインに比べ安価に手に入るプロテインだといえます。

スポーツをしている方の飲んだことのあるプロテインというのもおそらくはホエイプロテインだと思います。しかし前述の通り、ホエイプロテインには乳糖が含まれているため、乳糖不耐症の人はお腹を壊してしまい満足な量を摂取することができません。

乳糖不耐症のメカニズム

人間の小腸内には乳糖を分解するラクターゼという酵素が存在します。腸内のラクターゼの働きには個人差があり、乳糖不耐症はこのラクターゼの働きが弱いために、乳糖の分解が間に合わないことが問題だとされています。

小腸で分解が間に合わなかった乳糖はそのまま大腸へと進み、浸透圧の関係で大腸の膜から水分が奪われて下痢になります。このような浸透圧を原因とする下痢を浸透圧性下痢といいます。

浸透圧ではなく、乳糖が大腸内で発酵することによる有機酸の発生が原因だという説もありますが、どちらにせよ一度に大量の乳糖を摂取することが問題であるのは間違いなさそうです。

乳糖の少ないプロテインの選び方

さて、ここまでプロテインを飲んで発生する下痢は乳糖によるものだという説明をしてきました。となると解決策としては乳糖を含まない、またはできる限り少ないプロテインを選べばよいということになります。

プロテインは原料や製法によりいくつかの種類に分けられており、ここでは乳糖を含まない、もしくはかなり少ないプロテインについて紹介していきます。

ホエイプロテイン アイソレート（WPI）

ホエイプロテイン アイソレート（以下WPI）は通常のホエイ（乳清）から作ったプロテインをフィルター処理などを用いて精製したものです。通常のホエイプロテイン（WPC）よりも不純物が少ないのが特徴で、乳糖の含有量もかなり抑えられています。

WPCを飲むとお腹を壊してしまう人でも、WPIならば問題なく飲める可能性が高いです。僕も乳糖不耐症なのですが、WPIなら問題なく飲むことができました。

WPCに比べ精製に手間がかかる分割高なのが欠点です。しかしそれでも数あるプロテインの種類の中では安価な部類であり、乳糖不耐症の人が選ぶプロテインとしては最適だといえます。

高強度の運動をしているスポーツマンやウェイトトレーニング取り入れているトレーニー、筋肥大を目指している人におすすめのプロテインです。

ソイプロテイン

名前の通りソイ（大豆）を原料とした植物性たんぱく質を補給するためのプロテインです。減量が牛乳ではないので当然乳糖は含まれておらず、乳糖不耐症の人が飲むのに適しているプロテインだといえます。

欠点としてはホエイプロテインと違って吸収に時間がかかるため、トレーニング直後のたんぱく質補給としてあまり適していないことです。

しかし逆に言えば吸収が緩やかなので腹持ちが良く、睡眠前のタンパク質補給などに適しているといえます。

どちらにも長所があるので、目的に応じて選ぶことが重要です。

まとめ

プロテインを飲んでお腹を壊すメカニズムと、乳糖不耐症の人が選ぶべきプロテインの種類についての解説しました。プロテインを飲んだことがなく、これから買おうと思っている人も要注意です。牛乳を飲んでお腹が緩くなる傾向のある人は、プロテインでお腹を壊す確率は高いですからね。

ちなみに僕はプロテイン（WPC）を5kgまとめて買った後に自分が乳糖不耐症であることに気が付きました。一気に飲むとお腹を下すので、一度に飲む量を減らしてちびちびと飲んでいます。残りあと3kg…、頑張って消費します。